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ここをチェック!依頼する前に知っておきたい『Web制作会社を選ぶ予備知識』

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Webサイトを作るためにWebサイトの制作業者を検索すると、非常にたくさんの業者がヒットします。たくさんありすぎてどうやって選べば良いのか分からないといった方のために、業者の選定の仕方について説明いたします。

おおまかな流れとしては、以下のようになります。
1.Webサイトの位置づけとゴールを考える
2.候補を選ぶ
3.提案をしてもらう

 

1.Webサイトの位置づけとゴールを考える
Webサイトは事業の中でどういった位置づけになっているでしょうか?
会社案内として、取扱商品の説明用のカタログとして、商品の販売チャネルとして、といったように、企業によってWebサイトの位置づけは異なります。必然的に、求められるWebサイトの仕様や規模も変わり、それに伴って、制作にかけるべきコストや、維持管理に必要なコストも変わってきます。最初に考えるべきことは、誰に対して何を訴求して、どういう行動を取って欲しいのかということです。

ターゲットと考えている人に問い合わせをしてほしいのか、商品の販売をしたいのか、来店誘致なのか、それともブランドイメージを高めたいのか、事業の中におけるWebサイトの目的とゴール設定をしっかり考えることが先決です。

 

2.候補を選ぶ
検索サイトで、「ホームページ作成+(地域名)」「Web制作+(地域名)」といった単語で検索してみてください。
たくさんの業者がヒットしますが、規模も違えば、得意なこともそれぞれで異なります。
そのため、1社を選ぶのではなく、何社かに提案をしてもらった上で比較するのがベストでしょう。

次に、提案してもらう候補を選ぶためのチェックポイントを説明いたします。

■候補にするかどうかの判断のポイント
①印象:Webサイトを見た時に惹かれるかどうか
Webサイトを訪問した人は3秒でさらに見るか、立ち去るかを決定すると言われています(時間には諸説あります)。つまり、Webサイトを制作する業者のWebサイトが、ファーストインプレッションで貴方に対して訴求できないようなら、貴方のWebサイトを作成してもらっても、恐らく訴求できるWebサイトができるかは疑問が残ります。

②導線:知りたいことが少ない手順で伝わっているか
Webサイトを実際に見た感想はいかがでしょうか。
分かりやすさ、知りたい情報へのアクセスのしやすさ、同業他社との違い、こういったことをチェックしながら見てみてください。
繰り返しになりますが、貴方に対して訴求できない業者が、貴方の事業を訴求することはできません。

③実績:目的やゴールを設定して制作しているか
概ねどの事業者も実績を掲載していますが、ただクライアントとデザインを掲載しているだけでなく、制作した意図や効果や結果といった説明が書かれているかどうかをチェックしましょう。
制作した効果・結果を提示できているということは、クライアントとの関係性を築き、納品後のフォローもできているということです。

逆に、依頼するのを避けた方が良いケースも説明いたします。

■避けた方が無難なケース
①メインのビジュアルに訴求力がない
ビジネスっぽさを出すために、ビルの写真や握手している写真が使われている業者があります。Webサイトが表示されて、訪問者に一番訴求ができる部分にもかかわらず、抽象的な画像を使用する業者は避けましょう。 

②Webサイトのデザインが古い
業者のWebサイトを色々見ている内に、流行を取り入れているものや古いデザインのものがあることが分かると思われます。
最新のデザインや流行を取り入れることが必ずしも良いと言い切れませんが、前時代的なデザイン(例:ページの幅が極端に小さい、文章の行間がやたら狭いサイトなど)の業者は避けた方が無難でしょう。ディスプレイの解像度が大きくなるのに伴ってページの幅やフォントサイズが大きくなっている傾向にありますが、そういったトレンドに対応していないという判断ができます。
また、スマートフォンでも業者のWebサイトを見てみることをお勧めします
昨今はスマートフォンやタブレット端末への対応は必須です。スマートフォン用の表示がされない場合は、避けた方が無難です。

③リース
中小企業庁が何年も前から注意喚起(https://www.chusho.meti.go.jp/soudan/2009/090820LeaseThink.htm)していますが、Webサイトのリース業者は詐欺の可能性が大です。
初期費用は無料でも、結局総額が相場から大きく外れた料金になるような価格設定になっています。また、リースだと一度契約すると解約ができません(結局残金を全額払うことになります)ので、避けた方が無難です。

 

3.提案をしてもらう
候補をいくつか絞ったら、実際に提案をしてもらって比較するのが良いでしょう。 その時のチェックポイントは、成果を出すためのシナリオとデザインについての2点です。
①成果を出すための提案をしてもらえるか 当たり前の話ですが、Webサイトへの誘因からゴール(お問い合わせや来店誘致など)のシナリオを提案してもらえる業者を選びましょう。もちろん提案通りに行くかどうかは実際に稼働してみないとわかりませんが、単に見た目のデザインが得意なだけの業者はこの点が弱いことがあります。
②デザインの説明をしてもらえるか 提案段階ではラフデザインを作成して見せてくれることになります。 当然ラフデザインであっても、色、配置、フォントの種類や大きさなど、デザインの意図や狙いなどがあるはずです。重要な目的は、綺麗なWebサイトを作ってもらうことではなく、Webサイトを作ることで売上や問い合わせを増やすことであるはずです。その意図をきちんと説明できない業者は避けた方が良いでしょう。そして、依頼する側も最初に挙げた目的とゴールを果たせそうかどうかを判断基準にすることも大切です。決して、デザインが自分の好みに合っているかどうかで判断をしてはいけません。

 

最後に
かなり簡単ではありますが、業者の選び方をご紹介させていただきました。
一点ご理解いただきたいのは、Webサイトは作って終わりではなく、作ってからがスタートだということです。これを読まれた方の中には、妥当な金額を知りたい方もいらっしゃったかと思いますが、妥当な価格は、同じような仕様で3社ほど相見積もりを取り寄せれば概ねの金額が見えてきます。その上で、単に価格ではなく、上記の業者選定のポイントを念頭に、今後も長くつきあっていけそうなパートナーを選んでください。

公開日
2021年7月12日(月)
執筆者

待谷忠孝(まちたに あつよし)
DaS株式会社 代表取締役 /中小企業診断士 /経営学修士
1975年大阪府生まれ。Webデザイナーとして大小様々な企業のWeb制作・企画に携わった後、経営コンサルタントとして独立。
経営者様の毎日の努力が少しでも報われるように、企業の価値を創る、価値を伝えるための経営におけるデザインの全体最適化の支援をしている。
著書「中小企業が成長するためのデザイン戦略」(三恵社)