大阪の起業家
人生一度の経験を提供する変身専門美容メイク店『女装紳士』
女装紳士 代表
井上 今里氏
人生で一度だけ女装体験したい男性に向けた完全ノンアダルトの変身専門の美容店として大阪なんばで『女装紳士』を運営。並行して、女装子(普段から女装をされる人々)専門のメイク教室も運営。
近年、メディア上でよく取り上げられるようになった「LGBT」始め、性同一性障害者、女装子に向けての社会活動としては、メイク師が代表となり各ジャンルのイベント調査、コラボ企画の参加などを通して活動。特に女装子と社会に対する取り組みとしては、メイク師がアーティストIMAとして女装と社会を繋ぐアート作品を2016年より制作・発表(2016年半顔女装作品「HALF」フランス/パリ国際フォトコンテストPX3入選)。
そうした一連の取り組みに共感していただき、応援していただける思いのある企業様との(女装に接点の無い企業様に限る)コラボレーション企画も随時、進行。女装紳士では「まだ存在しない新たなビジネス」を目的とし、展開し続けています。
今後は、女装紳士のメイク教室の全国展開。海外展開に向けても、現在観光客向けの事業が進行中。
こうした一連の活動を通し、性別問わずより多くの人々が生きやすい行き場所のある社会を作り、世界に広めることを目的とし、日々新たな事業に挑戦しています。
女装紳士HP:http://www.zyosoushinshi.com
- 起業家紹介
井上 今里(いのうえ いまり)【アーティスト名:IMA】 女装紳士 代表
1990年、日本一小さい町(忠岡町)に生まれる。
美術専門高校、メイク専門学校を卒業後、イラストレーターとして就職後、現代画家に転身。2年後、会社の運営難により退職。数々のアルバイトを転々としながら現代画家の活動を続ける。
とあるきっかけにより、男性へメイクをする仕事を始める。約3年間、全国を飛び回り男性への変身メイク技術を独学で学ぶ。ビジネスや女装界の勉強と準備を整えた後、2016年1月、女装紳士を大阪なんばにて起業する。【活動実績】
2009年 映画「ミクローゼ」メイクアシスタント参加
2011年 グループ展「大丸心斎橋店アートストリーム2011」参加
2014年 映画「味園ユニバース」壁画制作
2016年 アート作品入選「パリ国際フォトアワードPX3」半顔女装
- 起業のきっかけ
約5年前、現代画家の夢を追いかけ挫折し、多額の借金を背負い、先の見えない不安な日々を過ごすうち、気づけば心から笑えなくなっていました。
そんな状況の中、友人のドラァグクイーンのメイク依頼を受けたことがきっかけで、私は起業することを決意しました。当時、私のおかれていた状況を知らない男友達から突然「メイクをして欲しい!」と連絡があり、引き受けることになりました。サプライズでドラァグクイーンのメイクをして友達を驚かせたいという依頼でした。結果、サプライズは大成功し、お腹を抱えるほど笑い合う仲間の姿を目の当たりにし、感激するとともに、メイク技術が人に元気を与える力を持っていると感じました。同時に、自分自身も自然と心から笑っており、本来の自分を取り戻せていました。
この出来事がきっかけで「男性にメイクをする機会を増やそう!」と決めました。私の起業への道の始まりは、人のためでも、流行りでも、ビジネス(お金)でもなく「本来の自分を取り戻すため」でした。
- 起業までの道のり
まず初めに「男性へのメイク技術の問題」と「女装界の知識と情報の問題」をクリアにすべく、動きました。 メイク技術は、SNSでのモデル募集・施術と、特殊メイク界のメイク師達による技術指導により、約5年かけて身につけました。女性とは肌質も骨格も違う男性へナチュラルメイクメイクを施すことは非常に難しかったですが、さまざまなメイク技術を融合させ、独自技術として確立しました。
女装界の知識と情報は、書籍や映画からはもちろん、より深いリアルで正確な情報を取得するため、全国で最も有名な女装イベントへの潜入、昭和時代から女装メイク師を約 20 年間続けているメイク師へのコンタクトなどを続け、取得しました。
そうして集めた生の情報を並べ、自分の心に正直に選択した上でお店の方向性を決め、起業しました。その結果、「完全ノンアダルト」&「メイクに特化した(高クオリティ)」&「女装界外の男性がターゲット」という特徴が《今までにないお店》として徐々に確立していきました。
当初は月0~1名だったお客様も、今では月10名以上と増加。女装に接点の無い企業様からのコラボ依頼を始め、賛同者の声も増加傾向にあり、閉鎖的な女装のイメージも払拭されつつあります。
- 今後の思い
女装界だけでなく、男性社会、女性社会、日本、海外に向けビジネスを展開していきます!
約4年間、起業に向けて1人で試行錯誤してきたのでスピードは遅かったですが、ようやく全ての準備が整いました。
社会で苦しむ男性へは、変身体験を。社会からの理解に苦しむ女装子へは、メイク教室を。就職先が無く生きる術のない女性へは、メイク技術と運営知識を。賛同者や応援者にはお店の実績と人々の喜びの声を。このビジネスが人の人生や社会を大きく変えるほどの価値があり、女性進出社会に突入していく現代、社会で頑張る多くの男性達にとって「何よりも最も必要な体験」であるということを伝え、広げて参ります。
- 支援機関名