大阪の起業家
考えて動ける子どもを育てる!探究型ものづくり教室『モノコトLab.Club』

株式会社TKホールディングス 代表取締役
玉野 興昌
ものづくりの現場で長年働く中で、「やればやるほど成長を実感できる」という充実感がありました。諸外国と比べても自己肯定感が低い子どもたちが増えている日本にあって、ものづくりを通して子どもたちの成長に役立てたいと考えていました。そんな中で出会ったのが、部活地域移行に伴い全国でもいち早く導入した「KOBE KATSU」です。そこで実施したものづくり教室の体験会では、没頭する子どもたちの姿に驚かされました。ものづくりは、主体的にやり方を学び、手・頭・音をフル活用する必要があるため、完成した時の達成感を得ることができます。一方で、部活として実施するにあたっては、現場が抱える不安や課題があることもわかりました。そこで、ものづくりの本質である「自分で考えてつくり、改善する」を子どもが主体的に学べる教室『モノコトLab.Club』を立ち上げました。全国の小中学生を対象に3年間で段階的にSTEAM技術を学ぶ探求型教育プログラムです。教材は自社で設計・製造されており、ドローン・電気制御・センサー技術などの幅広い技術体験を全国に展開していきます。“つくる”という体験を通して、子どもたちに将来必要となる「考えて動き、チャレンジを恐れない心」を身につけてもらいたい!そして、日本が誇るものづくり技術の素晴らしさを伝えることで、業界に貢献したいと思っています。
HP:https://tk-holdings.co.jp/
- 起業家紹介
玉野 興昌(たまの おきまさ) 株式会社TKホールディングス 代表取締役
中小企業にて長年、自動機や専用機の設計・組立・現場対応に従事。
2020年9月、兵庫県神戸市にて「TKエンジニアリング株式会社」を創業。
製造業の現役技術者として活動する一方、STEAM教育の重要性を感じ、まずはキャリア教育として小・中学校での学びの機会づくりを始める。
2025年、部活動の地域移行を契機に、探究型ものづくり教室『モノコトLab.Club』を立ち上げる。
教育と現場の距離を縮める新たなモデルとして、全国展開をめざしている。
- 起業のきっかけ
ものづくりの現場で働く中で、ものづくりに対して意欲を失いかけている人たちの姿を目にすることが増えました。効率や納期に追われるなかで、本来あったはずの「つくることの楽しさ」が忘れられているように感じたのです。そのことが、どこか心に引っかかっていました。
あらためて“ものづくりの原点”に立ち返ったとき、子どもたちに向けて「つくるって面白い」と感じてもらえる機会を届けることが、これからの自分の役割かもしれないと思うようになりました。
- 起業までの道のり
最初の一歩は、大阪府大東市・摂津市におけるキャリア教育への協力や、神戸市での修学旅行生を対象とした基板製作体験でした。
こうした実践を通じて、子どもたちの反応や教育現場の課題を肌で感じるようになりました。
その後、地域の技術者と連携しながら小規模な教室を開き、活動を積み重ねてきました。
行政連携の「KOBE KATSU」などをきっかけに体験会を実施したことで、事業としての展開可能性を確信し、
本格的な教育プログラムの設計と仕組みづくりに着手しました。
現在では、教材の設計・製造・研修・運営までを自社で一貫して行う体制を整え、複数拠点での展開を進めています。
- 今後の思い
“つくる”という体験には、自分で考え、挑戦する力を育てる力があると感じています。
技術や知識そのものではなく、その過程で得られる気づきや感情を、子どもたちに届けたいと思っています。
最終的には、子どもたちがそれぞれの場所で生き生きと過ごし、未来に向かって前向きに進んでいく姿を思い描いています。
子どもたちが元気であれば、日本も自然と元気になっていく。そう信じて、これからもこの活動を続けていきます。
- 支援機関名