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大阪の起業家

自宅で楽しむ“ウイスキーの追熟”。時間とともに深まる体験『TARUBAR』

2025/11/17

株式会社4B 代表取締役

山本 崇一郎 氏

忙しい日々の中で、私にとって家飲みが唯一の癒しとなっています。特にウイスキーは好きなお酒の種類です。ウイスキーは、熟成期間や香り、産地などによって口当たりや風味が異なる点に魅力があり、ウイスキーを通じて自然と会話が生まれ、人との距離が縮まる瞬間に価値を感じてきました。しかし、コロナ禍で飲みに行くことができなくなり、家飲みで楽しめることはないか、また、美味しいウイスキーを安く飲むことができないかと考えたとき、手持ちのウイスキーに、貯蔵に使われていた樽の切片を入れて追熟させることを着想。すると2週間後には全く別物になるほど風味がまろやかに。そこで多くの人にも楽しんでもらいたいと思い『TARUBAR』を立ち上げました。TARUBARは、実際に熟成に使用されて廃棄となる酒樽を10㎝程度の棒状に加工し、自宅で本格的な樽熟成を再現できる体験型サービスです。熟成ノートも作成し、ファン同士で情報共有できる仕組みも構築。TARUBARは、ウイスキーを美味しくする道具ではなく、日常に小さな物語が生まれ「時間の過ごし方」と「人との関係」を深める文化をつくります。
HP:https://taru-bar.com/

起業家紹介

山本 崇一郎(ヤマモト ソウイチロウ)株式会社4B 代表取締役/TARUBAR創業者

1984年大阪市生まれ。アパレルメーカー勤務を経て独立。
アパレルバイヤー・商品開発・EC運営などを通じて、モノではなく体験を売るというD2Cの本質を現場で学ぶ。
その後、ウイスキー愛好家として「手軽に本格的な熟成を楽しむ方法」を模索し、実際の酒樽を再利用した木製スティック『TARUBAR』を開発。SNSを中心に多くの支持を集める。
現在は、熟成を通じて人と時間をつなぐブランド体験の設計に注力している。

起業のきっかけ

「本当に美味しいウイスキーを、もっと身近にしたい」
その想いが原点。
コロナ禍で家にいる時間が増えたとき、グラスを手にする時間がどこか作業のように感じていた。
そんなとき、酒樽を再利用してボトルに入れたウイスキーが少しずつ香りを変え、まろやかになっていくのを見て——
ウイスキーは飲むものじゃない。育てるものだと気づいた。

起業までの道のり

最初は自分の趣味の延長だった。
試作を繰り返し、木材の種類や樽の個性を研究。
やがて「これを商品化してほしい」という声がSNSで広がり、オンラインストアを立ち上げた。
その後、ユーザーのレビューや声をもとに改良を重ね、
「2週間で味が変わる」「家で熟成を体験できる」という口コミが拡散。
現在では、世界中の酒樽を再生し、新たな命を吹き込むブランドとして成長している。

今後の思い

TARUBARは、木の棒を売っているブランドではない。
届けたいのは、体験の時間と人とのつながり。
家族と乾杯する瞬間、友人と語る夜、ひとりで静かにグラスを傾ける時間——
そのどれもが、熟成によって少しずつ深まっていく。
このブランドを通じて、「時間を味わう文化」を日本から世界に広げたい。
そして、誰かの人生に寄り添う“もうひとつの時間”を届け続けたい。

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