大阪の起業家
緑茶染めでかゆみを抑制!アトピー性皮膚炎の小学生向けインナーシャツ開発事業

SkinNotes 代表
竹内 悠人 氏
私はアトピーの当事者であり、小学生時代は特に、アトピーによるかゆみや痛み、精神的な苦痛を経験しました。そこで、アトピー性皮膚炎を患う小学生を対象に、かゆみを我慢できずに患部を掻いてしまう課題を、緑茶染めインナーシャツにより、かゆみ悪化の原因となる黄色ブドウ球菌を減らすことで解決します。シャツの素材にはオーガニックコットン100%、染料の緑茶には規格外茶葉を使用することで、肌にも環境にもやさしいシャツをお届けします。また、普段着ているシャツを置き変えるだけで、既存の手段より手軽でストレスなく課題が解決できます。SkinNotesを構成するチームメンバー3人は神戸大学起業部で出会い、全員がアトピーの当事者です。だからこそ「アトピー性皮膚炎患者さんが明るく前向きに生きられる社会へ!」を理念に、アトピーの課題解決に挑んでいます。「着るだけ」で無意識のうちに肌環境を整える「日常ケア」によって、薬を塗る手間や精神的負担から解放することで、アトピー性皮膚炎患者の方々が明るく前向きに生きられる社会をめざします。
HP:https://lit.link/skinnotes
- 起業家紹介
竹内 悠人(たけうち ゆうと) SkinNotes 代表
物心がついたときには、すでにアトピーが生活の一部に。特に小・中学生の頃は、ひどいかゆみで肌は常に傷つき、血がにじまない日はなかったほどです。
衝撃や水に弱い肌のため、大好きだったバスケットボールや水泳も諦めざるを得ず、授業中や運動時にもかゆみや痛みで集中できないのが当たり前。ペンやシャツが血で汚れることも日常茶飯事でした。眠っていても、かゆみや痛みで目が覚める毎日。そんな日々の中で、「なんで自分だけが…」と何度も思ったことを覚えています。
だからこそ、同じようにアトピーで悩む方々にとって、少しでも前向きに過ごせる選択肢を届けたい。そんな想いを胸に、事業に取り組んでいます。
また、5歳頃からお茶が大好きになり、自然とカテキンの力にも興味を持っていました。
規格外の茶葉が廃棄されている現実にも疑問を感じたことから、肌と地球、どちらにも優しいものづくりができないかと考えています。
- 起業のきっかけ
起業のきっかけは、自分自身が長年アトピーに苦しみ、「本当の意味で肌の悩みをわかってくれる商品が少ない」と感じたことです。治療や保湿、生活習慣の見直しなど、どれも大切なのに手間や負担が大きく続かない。
そんな中で、もっと生活に自然に寄り添いながら、少しでも肌を守れる手段はないかと模索していた時、大好きだった緑茶の成分・カテキンの抗菌・抗アレルギー作用に着目しました。
そこから、日常的に使える「着るケア」としての衣服の可能性を感じ、起業を決意しました。
- 起業までの道のり
神戸大学起業部で、同じくアトピーを持つ仲間と出会ったことが大きな転機です。自分の悩みが他の誰かにも通じているという実感が事業を進める原動力になりました。そこから、素材探し、染色の研究、専門家へのヒアリング、患者のモニター調査…試行錯誤の連続でした。
特に天然染料である緑茶を活かしながら、肌に優しく、かつ環境にも配慮した製品を実現するため、多くの職人さんや研究者、協力者の力を借りてきました。時間も労力もかかりましたが、「自分たちアトピー患者の生活を変えられるかもしれない」という信念だけは、一度も揺らぎませんでした。
- 今後の思い
アトピー性皮膚炎に悩む人が、当たり前の生活を、当たり前に送れる社会をつくりたい。
その想いから、製品の開発だけでなく、患者さん同士がつながれる場づくりや、信頼できる情報の発信にも力を注いでいます。
この事業は国内にとどまらず、アトピーに悩む世界中の人々の暮らしにも寄り添い、生活の質(QOL)を支えるインフラのような存在をめざしています。
私たち自身が当事者だからこそ、誰よりも近くで、共に悩み、共に考え、共に乗り越えていく。
そんな仲間と歩むような事業を、これからも丁寧に心を込めて育てていきます。
- 支援機関名