大阪の起業家
医療人材がリードする不妊治療をはじめとする中国患者向け診療サポート事業
ナースウェルインターナショナル株式会社 代表取締役
劉 綺氏
日中両国の看護師資格を持つ代表者が、日本で専門教育を受け、現役の二か国語医療人材を集め、日本の治療が必要とする中国患者に適切な診療サポートを提供する事業を展開します。特に、二児のママ看護師である立場を生かして、不妊症に悩む中国人女性たちの心身ケアを提供しながら、場面にあった生活・診療サポートを提供。不妊症治療を施す患者と医院の間との橋渡しとなり、信頼に基づく安心できる診療を目指します。
①不妊治療診療サポート事業
中国でも晩婚化が進み、推定4000万人の不妊患者がいる一方で、全国で登録されている不妊不育症病院数はわずか約300病院だった(参考のため日本の不妊治療患者は約45万人で、施設数は約600施設)。その上一人子政策が終わり、二人目を考える高齢出産希望者の数は予想もつかないほどと想定される。妊娠出産は年齢・時間・体調・生活環境・心理状態など様々な影響を受けやすい不確実性の高い事柄で、限られた時間の中、患者様達の生涯の望みである子を授かる助けができることは非常に有意義なことであるため、日中両国の看護師資格を持つ自分にとって、使命を果たせる事業として取り組んでいきます。
具体的には、治療計画が決められたら、状況に合わせた異なるレベルの通訳人材を手配し、組織的な対応と心理的なケアを治療の一環として協力体制を構築していきます。
②健診・診療サポート事業
一般健診とは違う丁寧な対応で患者様の生活習慣改善と病気の治療を目的とした診療サポートを提供します。
具体的には、健診予定の2か月前から健診を手掛けて、個別カウンセリングと情報収集の上、協力病院と一緒にプライベート健診と診察を計画します。
患者様来日後、当日通訳のみならず、食事・服薬管理・体調確認を行います。
患者様が帰国後、的確に体の状況が変化した時の対処法を提案し、活きた健診をサポートします。
治療が必要な者には代理受診の対応し、治療の継続をフォローします。
- 起業家紹介
劉 綺(りゅう き)
1975年4月11日生まれ。大阪府立大学農学生命科学研究科卒業。1993年中国の看護師を退職した後、来日。法的に看護師の就労制限があるため、大阪府立大学総合科学部に進学し、看護の道を離れた。2013年に中国製薬メーカーの社長らから健診の問い合わせを受け、その対応をした所、日本語の医療専門用語について不慣れを感じ、日本の看護師免許取得に向けて再度日本語による医療専門知識を学習、2015年に看護師免許を取得した。
- 起業のきっかけ
看護師の資格と自分の経験とスキルを発揮できる場所がないかと模索し続けてきた。顧客からの要望を聞き、健診サポート対応していく中、個別対応の健診と治療をリードする事の大切さを感じ取った。その後、不妊治療で苦しむ患者と出会い、中国の不妊治療現状を知り、自分の立場とスキルに相応しい分野であると思い、一般診療患者の対応をしながら、不妊治療の受診サポート体制を構築しようと決心した。
- 起業までの道のり
2013年には患者様からの要望で日本での健診を手掛け始めて、2014年に健診の医療通訳を対応した。現場では医療関連において、十分な理解力と説明力が必要と痛感した。看護師国家試験を合格した後、本格的に健診・診療時のサポート事業を開始すべく、会社を設立した。
- 今後の思い
顧客の個別カウンセリングによって提案する健診と診療をしっかりサポートし、人々の健康維持に尽力することができる活きた健診をサポートしたいと思っています。特に複雑な不妊治療に相応しいサポート体制を築き、ママナース・助産ナース・産婦人科ナースの力で患者の心身上のケアをしながら、日中バイリンガル不妊治療の看護師として力を発揮していきます。
- 支援機関名
公益財団法人大阪市都市型産業振興センター