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大阪の起業家

世界の女性に仕事と尊厳を!南インドから生まれるサステナブルOEM縫製事業

2025/11/17

miri 代表

芝田 美梨 氏

幼少期に見た目へコンプレックスを抱えていた私は、服を通して少しずつ自分を肯定できるようになりました。しかし、安価な服の多くが途上国の低賃金・長時間労働によって成り立ち、現地の人々が苦しい状況に置かれていることに強い衝撃を受けました。この問題を解決したいという思いから、SNSで見つけた南インドの工場を訪れ、低賃金や職場での性被害に苦しむ女性たちの現実を目の当たりにしたことで、起業を決意。私は安全で公正な環境づくりに取り組む工場と提携し、日本から仕事を届ける仕組みを構築しました。20枚から可能な小ロットOEMを提供し、オーガニックコットンやアゾフリー染料(発ガン性物質を含まない染料)など環境配慮素材を採用しています。また、日本人が間に入ることで海外発注のハードルを下げ、日本企業が求める品質と納期を担保しながら現地女性の安定した雇用を守ります。南インドから、“作り手も着心地も心温まるアパレル業界”を創っていきます!
HP:https://shibatamiri.studio.site/

起業家紹介

芝田 美梨(シバタ ミリ)miri 代表

高校3年時にアパレル業界の途上国における低賃金・長時間労働の実態を知り、社会課題として強い問題意識を抱く。
2023年にはカンボジアおよびバングラデシュの縫製工場をスタディーツアーで訪問し、現地の労働環境を直接視察。同年、関西外国語大学短期大学部を卒業し、海外での事業展開を見据え英語運用能力を習得。
2024年、関西学院大学総合政策学部を卒業し、バングラデシュの縫製工場に関する研究を実施。ファッションテック企業である株式会社エアークローゼットに新卒入社し、販売チームにて企画立案から実行、IT開発プロジェクトのマネジメントまでの業務を経験。
2025年1月に退職。同年2月、アパレル生産における“誰も泣かない仕組み”の実現をめざし事業を立ち上げ、8月に事業登録。
日本と南インドをつなぎ、安全かつ公正な環境で現地女性の雇用を守りながら、アパレル製品を届ける“やさしい循環型アパレル”の構築に注力している。

起業のきっかけ

私は幼少期から見た目にコンプレックスを抱えていましたが、服を身に着けることで自分を肯定できた経験から、アパレル業界に関わりたいと思うようになりました。高校時代、英語部でのスピーチ準備を通じて、途上国の縫製工場での低賃金・長時間労働や性被害の問題を知り、強い関心を抱きました。
2023年にはカンボジアやバングラデシュの工場を訪問するなど、課題の問題意識を抱きつつも、まずは社会経験を積むために就職を選びました。その後、SNSで出会った南インドの縫製工場を訪問し、女性の働き口が限られているうえ、働けたとしても職場での性被害や極端な低賃金に苦しむ人が多く、深い衝撃を受けました。その工場は、そうした問題をなくすために、安全で公正な労働環境を整え、適正な賃金を支払う目的で設立された場所でした。しかし現在はオーダー不足により厳しい経営状況にあるということを聞き、私は日本から受注を獲得し、健全な運営に取り組む工場の継続と女性の雇用を支える営業代行の役割を担おうと決意しました。

起業までの道のり

過去2年間、工場と取引のあるアパレルブランド「tree & moon」のサポートを受けながら事業を進めてきました。縫製の知識やインド人とのコミュニケーション方法、現地の生地屋や工場との信頼関係がすでにあるため、この事業をスムーズに始めやすい環境が整っています。また、縫製知識や社外の方とのコミュニケーションを学ぶため、漁網アップサイクルベンチャーであるamu株式会社で縫製工場との窓口を担当し、現場の知識を深める機会を得ています。これらの経験やネットワークを活かして、現在の事業を展開しています。

今後の思い

工場の周辺には、まだまだ働きたい困っている女性たちがたくさん待っています。私は、困っている人を全員雇用できるくらいの思いで、オーダーを獲得したいと考えています。この地域にとどまらず、他の途上国にも展開し、仕事がなく、安心して働ける場所がない人々に、安全で安定した働き場をつくっていきます。生産者もブランドも喜び合い、誰も泣かない。そんな心温まる新しいアパレル業界を、私はつくります!

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