大阪の起業家
症状の変化を見える化し、皮膚科医と共有できる皮膚疾患患者向けPHR(個人医療データ)サービス
株式会社Genon 代表取締役社長
高原 千晶氏
私自身、アトピーが原因でドクターストップがかかり、離職することになった経験があります。
アトピー性皮膚炎は、症状の個人差が大きく、慢性的な疾患のため、改善には個々にあった治療が必須です。そのためには皮膚科医と患者のコミュニケーションが重要ですが、医療現場においてヒアリングする時間は、一人当たり1、2分程度しかありません。結果、待ち時間が長い割に薬が合わずに改善されない、などの不満から病院を転々としてしまう人が多く、医者と一緒に継続的な治療ができていません。
『At-self』アプリは、日々の症状の変化を記録することができ、そのデータから皮膚科医に必要な情報を弊社スタッフが分析し共有します。それを診察時に活用することで、皮膚科医と患者の双方向コミュニケーションを促進することができます。その結果、質の高い診療ができるようになり患者も改善していきます。
- 起業家紹介
高原 千晶(たかはら ちあき) 株式会社Genon 代表取締役社長
1993生まれ。大阪市北区出身
2012年 3月 大阪成蹊女子高等学校 卒
2014年 3月 大阪調理製菓専門学校 栄養遺伝学部 卒国家資格管理栄養士免許保持
2014年 4月 LE PINEAU 商品開発部に従事
2017年 4月 株式会社MonotaRO CS部に従事
【受賞歴】
2021年 U-25 kansai pitch contest 優秀賞 / 大阪市大アクセラレーションプログラム採択/経済界「金の卵プロジェクト2021」
- 起業のきっかけ
小学校1年生のころ、飛び降り自殺を見たのをキッカケに生死について意識するようになり、身近な建物のジャングルジムで1段ずつ飛び降りて危険について自己実験するなど、疑問を解決したいと思うようになりました。
医療は知れば知るほどわからないことが増えると感じ、多くの人の知恵や取り組みがなければ課題解決できない業界と気づきました。
また、自分自身が重度のアトピーを発症し、22歳の頃に2度ドクターストップをうけ離職した経験があります。
人体に関する疑問を解決したい!という原体験からの願いを実現することを通じて、研究という道ではなく、社会への価値発揮してより多くのデータを集め少しでも医療業界で課題解決に貢献したいと思い、起業しました。
私たちは少しでも医療業界で課題解決に貢献できるように臨床データを集め、「人体」や「生命」を解明していきながら、一人でも慢性化させない治療の提供ができる社会をめざします。
- 起業までの道のり
根底に生命科学、遺伝子への強い思いがあり、2020年に1人で起業を決意しましたが、自分が何を作りたいかばかり考えていました。
2021年にユーザーインタビューで出会った高砂と、今のアイデアに至るまで幾度もピボットを繰り返す中で、誰のどんな課題を解決したいのかを考えるようになりました。
「私たちの事業で集めたデータを生命科学に貢献したい。」という思いの上で、2021年7月、メンバー共通の悩みである皮膚炎にフォーカスしたサービスを考えました。
私自身がアトピーで働けなくなった経験から、「頑張りたい時に、頑張れる人を増やす」という思いを実現するため、京大出身の皮膚科専門医である後藤先生監修の元、オンライン診療から処方箋代行までサポートするサービスに着地しました。
- 今後の思い
本事業を通して、一人でも多くの治験データを提供し、病気の解明や創薬・研究に活かしたいと思っております。そして、病気や人体の解明に少しでも貢献し、病気に対する不安や疑問点をなくしたいと思っています。
将来的には、開業医にも導入してもらい、多くの患者様に利用してもらうことをめざしております。そのために、日本で治療アプリが認証される社会環境になるよう認知度拡大に取り組んでまいります。
- 支援機関名