大阪の起業家
働く女性のキャリアと妊娠の両立を叶える!卵子検査キット『EggU(エッグ)』
株式会社BeLiebe 代表取締役
志賀 遥菜 氏
私は、大学院で医療生命科学の研究において、難病患者の治療法開発や創薬に繋がるような基礎研究をしていましたが、実際にこの研究が実装されるまでに数十年もかかることから、もっと生活者に使われる研究をしたいと思うようになりました。そして、新卒でP&Gに入社して3年目、海外勤務を視野に入れた際に、年齢的にキャリアかライフかどちらかを選ばなければならない場面に直面し、女性であることで挑戦できなくなる現状への憤りを感じました。そこで、これまでの知見と体験が原動力となり、「世の中の女性が、出産や子育てが原因でキャリアを諦めない世の中をつくる」を理念に事業を立ち上げました。卵子の数は年齢と共に減り続けることや、個人差があり若くても卵子在庫が少ないということを知らないために、いざ妊娠を望んだ時には、厳しい現状になる方も多くいます。一方で、妊娠を望んでいない段階で婦人科に検診に行く方はほぼいません。そこで、自宅で手軽に残存卵子数を計測する検査キットと、悩みのある方には医療従事者によるオンラインカウンセリングができるサービスを提供します。検査結果は弊社独自のロジックでフィードバックされ、実生活において活用できる指標やアドバイスが得られます。EggUにより、本当の意味での女性活躍社会をつくり、不妊治療率の低下と出生率の改善をめざします!
- 起業家紹介
志賀 遥菜(しが はるな) 株式会社BeLiebe 代表取締役
東京大学にて医療生命科学の研究に従事。優れた研究や技術が論文止まりになっていることに課題意識を持ち、『研究の社会実装』を実現すべく大好きな研究を離れビジネスを学ぶことを決意。新卒でP&Gに入社し、バイヤーとして製造からマーケティングまで幅広いビジネスに携わると同時に、ジェンダー平等に関わる様々なプロジェクトにも抜擢され、社内外の研修や制度導入等をリードする。
女性のライフステージの変化に伴うキャリアアップの実現に大きな課題を感じたことをきっかけに、『研究の社会実装』を通じて生物学的な観点からライフキャリア計画ができるようなサービスを開発し、2021年パラレルキャリアとして株式会社BeLiebeを起業。
- 起業のきっかけ
自分の原体験があり、同じ悩みを抱える女性が周りにたくさんいたからです。
社会人3年目、大学院を卒業していた私は当時29歳。仕事が楽しくて、キャリアアップのために海外駐在を希望した時、3-5年の海外アサインメントを経て帰国して結婚出産と考えると、高齢出産と言われる年齢35歳を超えての出産になると思い、その時にはじめて、晩婚化・少子化といった社会問題が自分事化しました。
生物学的に女性であることで、キャリアをどこかのタイミングで止めなければならないということにある種の不平等さを感じ、自分のバックグラウンドである生命科学の観点からこの課題の解決に挑みたいと思ってサービス開発を始めました。
様々なアクセラレーションプログラム等に参加していく中で、同じ悩みを抱える方が多くいることに気づくと共に、応援してくれる仲間がたくさんできたので、起業しました。
- 今後の思い
検査キット事業はあくまでスタート地点であり、これだけで大きな社会課題の解決ができるとは思っていません。
ここから、多くの方の力を借りながら、プレコンセプションケアの領域や、産後育児とキャリアの両立支援など、事業領域を拡大していくことで、「働く女性の挑戦インフラ」を作っていくことをめざしています。女性の健康市場は新しく、プレイヤーも少ないですし、サービスを取り入れる企業や行政もまだ多くありません。nice to haveからmust haveの存在になれるように、たくさんの方の力を借りながら、日本の国力を引き上げていきたいと思っています。
- 支援機関名