HOME ⁄ 大阪の起業家 ⁄ すべての患者に最善の医療を!治療立案AIで”かかりつけ医”の慢性疾患診療を支援

大阪の起業家

すべての患者に最善の医療を!治療立案AIで”かかりつけ医”の慢性疾患診療を支援

2024/07/22

株式会社Cubec 代表取締役CEO

奥井 伸輔 氏

Cubecは「最善の医療を、すべての人の手の中に」をミッションとして、かかりつけ医を支援する「AIプログラム医療機器」を開発しています。医師不足が深刻化する中、持続可能な医療体制のために“かかりつけ医”と“専門医”の連携は急務です。中でも慢性疾患は、患者数が多く非専門のかかりつけ医も管理する必要がありますが、形式知化されていない専門医のノウハウが存在します。そこで、かかりつけ医が慢性疾患患者を診療する際に使用するプロダクトで、治療立案するAIを開発するに至りました。本プロダクトにより、かかりつけ医の慢性疾患診療を支援し、あらゆる患者に個別化医療を提供できる社会をめざします。医療AI・臨床試験・薬事・保険のトップランナーである国立循環器病研究センター、琉球大学、帝京大学、名古屋大学医学部附属病院、九州大学病院との共同研究体制を構築し、まずは慢性疾患の中でも社会的緊急性の高い心不全を対象にプロダクト開発を進めています。

HP:https://cubec.jp/

起業家紹介

奥井 伸輔(おくい しんすけ) 株式会社Cubec 代表取締役CEO

名古屋大学理学部卒業後、外資系製薬企業にて営業・マーケティング・組織文化開発に従事。
京都芸術大学大学院 修了 芸術修士・学際デザイン研究領域専攻。
京都芸術大学でのデザイン思考の学びを活かし、医療ITスタートアップにて、国立循環器病研究センターを中心とした研究プロジェクトに企業代表として参加。
心不全パンデミックに対応するAI医療機器の社会実装をめざし、株式会社Cubecを創業。
現在は神戸市在住。Cubecは東京、福岡など各地のメンバーがリモート中心で勤務している。

起業のきっかけ

私の父は20年近い闘病生活の末に亡くなりました。
病院選びや治療選択の難しさなど、患者と家族の葛藤を当事者として経験しました。
その後、医療業界に足を踏み入れ、MRとして経験を重ねましたが、医師側にも悩みはあり、あらゆる手段で患者を救いたい気持ちはあっても、限られた時間、環境で対応できることには限界があるという現実を目の当たりにしました。
多くの患者さんにとって、日頃接する機会が多いのは「かかりつけ医」です。
そのかかりつけ医に対して、もし生成AIで専門医の思考を再現して治療提案をすることができたら―。
そんな解決策を思い描く中で、製薬業界におけるAI開発のエキスパートである新井田信彦(共同創業者、CAIO)との出会いを得て、2023年2月に医療AIのスタートアップであるCubecを創業しました。

起業までの道のり

海外では、患者さんや医療従事者を中心に考え、デザイン思考で医療機器をイノベーションする傾向が増えつつあります。
そこで、Cubecの創業準備と並行して、京都芸術大学大学院でデザイン思考を学びました。
また、医療AIの取り組みについては、医療AI・臨床試験・薬事・保険のトップランナーである国立循環器病研究センター、琉球大学、帝京大学、名古屋大学医学部附属病院、九州大学病院との共同研究体制を構築しました。
現在、各機関と共同でプロダクト開発を進めています。

今後の思い

最近の医療現場では、AIの活用が進みはじめ、診断支援として検査の精度を向上するプロダクトが広がっています。
Cubecはさらに一歩踏み込み、治療提案まで含む包括的なAIの実現をめざしています。今後はプログラム医療機器としての承認取得をめざし、2024年から段階的に上市し、2027年のサービス提供開始を目標としています。
まずは心不全をターゲットにしていますが、Cubecはかかりつけ医の慢性疾患診療を支援し、あらゆる患者に個別化医療を提供できる社会をめざします。

支援機関名