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大阪の起業家

さらに広がる活躍の場を!聴覚障がい者と社会をつなぐプラットフォームの提供

2025/11/17

一般社団法人Bridge Heart 代表理事

池田 優里 氏

私は生まれつき耳が聞こえず、両耳に人工内耳を装用しています。そのおかげで、聞こえることができたものの、多くの聴覚障がい者は、成長の過程で希望を持ちにくくなったり、進路や将来像を描きにくくなったりと、人生の選択肢が狭まってしまう現実に、深い違和感を抱いてきました。一方で、正しい情報と周囲の理解に支えられたとき、障がいが「制約」ではなく「力」に変わり、社会とのつながりや役割が広がる瞬間があることも実感しています。この「ギャップを埋めたい」という想いが、Bridge Heartを立ち上げた原点です。Bridge Heartは、聴覚障がい者とその家族、支援する医師や言語聴覚士といった専門家、企業などを繋ぐプラットフォームです。そこでは、親同士が情報交換できる交流会、専門家相談サービス、当事者の自己肯定感を高めるイベントなどを展開し、聴覚障がい者が 社会と関わるきっかけを増やすことをめざしています。聴覚障がい者は、聞こえにくさがある一方で、表情の変化から想いを読み取るといった「観る力」に優れているなど、様々な強みを持っています。こうした力を活かしながら、もっと多様な場面で社会とつながり、自分だけの役割を発揮できるはずです。だからこそ、より多くの人にその可能性を知ってほしい。そして当事者自身が「自分に自信をもち、自分らしく生きられる社会」をともに築いていきたいです。
HP:https://bridge-heart.com/

起業家紹介

池田 優里(イケダ ユウリ) 一般社団法人Bridge Heart 代表理事

生まれつき耳が聞こえず、両耳に人工内耳を装用している。
自らの経験から、障がいがあることで選択肢が狭まる現状に強い違和感を覚え、聴覚障害者にも可能性があることを伝えたい一心で、これまでSNS・親の会・イベントなどを通じて発信を続ける。
現在は、聴覚障がい者と社会をつなぐプラットフォームを開発し、聴覚障がい者が自分らしく生きられる社会の実現をめざして活動している。

起業のきっかけ

「同じ経験をした人が同じ苦しみを味わわなくていい社会をつくりたい」という想いが、起業の原点。
聞こえないことで夢をあきらめそうになった時期もあったが、家族や仲間とのつながりが私を支えてくれた。
「人とつながることで人生は変わる」
その実感から、正しい情報が届かずに、孤独感や将来の不安を抱える家族や子どもたちのために、「つながれる場所をつくろう」と決意。

起業までの道のり

聴覚障害児の親の会やイベントで多くの親御さんと出会い、100名以上から課題を聞く中で、「つながりの場が必要だ」と強く感じる。人力でマッチングを行いながら小さな交流の輪をつくっていくことから初めると、次第に親御さんの表情が明るくなり、子どもたちも前向きになっていく姿を何度も目にする。
「親が笑顔になると、子どもも笑顔になる」その確かな実感が、私の背中を押してくれた。
こうした出会いや変化を通して、聴覚障がいという枠を超えて社会とつながる橋渡しをしたいと考えるようになり、聴覚障がい者と社会とつながり、選択肢がより広がるプラットフォームの構想・開発中。

今後の思い

聴覚障がい者が自分に自信をもち、自分らしく生きていける社会をつくる。
親が孤独や不安ではなく、安心と希望を抱ける未来を届ける。
企業が多様性を活かせる人材と出会い、新たな価値を生み出せる環境を広げる。
そして、社会が障がいを理由に誰かの可能性を閉ざさない世界を実現する。
聴覚障がいが「弱み」ではなく「力」として輝く世界を、これからも必ずつくっていきます。

 

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