ビジネスプランコンテスト
第8回実施スケジュール
第8回ビジネスプランコンテスト開催レポート
回を重ねるごとに、出場者のプレゼンレベルが上がっていると感じています。一方で、何度もプレゼン内容のブラッシュアップをし、直前まで練習をしている姿を見ている事務局としては、全員受賞して頂きたい気持ちで当日を見守りました。
ビジネスプランコンテスト当日の午前中は、審査員は別室で書類審査を元に打合せ。出場者は会場にてリハーサルを行った後、展示コーナーの設置を開始する方が多いのですが、今回は、集合時間よりも早めにきて、展示コーナーの設置を始められる方が多かったです。それもそのはず、今回の出場者全員、いくつもあった提出物を毎回納期通り提出するという事務局に優しい方々でした。
前半は『地域需要創出型』部門(地域密着型のビジネスプランで、 主に、産業競争力強化法に基づく創業支援事業計画による創業支援を受けた方)からプレゼン審査がスタート。
今回は、4者が出場。愛犬とのオーダーメイドペア服や、自宅でレストランの料理が楽しめる出張シェフサービスなど、事業内容を聞くだけでもワクワクしてくるプレゼンがある一方で、メンタルヘルスケア事業やビルの空室を活用した大人向け自習室の展開など、社会課題に取り組む事業も。審査員の鋭い突っ込みの質問にも自信を持って回答していました。
後半は『グローバル成長型』部門(今後の市場として「全国」または「海外」を目指しているビジネスプラン)5者によるプレゼン審査がスタート。化粧品ごとにアレルギーチェックができるアプリや脳卒中の後遺症リハビリによって、日常生活以上の成果を約束するリトレーニング、近畿大学発ベンチャーの家系図描写ツールと電子遺伝情報カルテなど、医療系ビジネスが3社も登場。審査員の方々も、「この単価で本当にいいのか」「事業の展開は」など、質問も相次ぎました。
今回の審査員は、起業家審査員に、燦キャピタルマネージメント株式会社 代表取締役社長の前田健司様にご登壇頂きました。前回に引き続き、大企業とベンチャー企業の事業マッチングを手掛ける株式会社ゼロワンブースターの合田ジョージ様にお越し頂き、鋭い質問によって、新たな角度での検討余地がある点に気付かせて頂きました。今回初めてご登壇頂いたのは、ソフトバンク株式会社 テクノロジーユニット 担当部長の皆川真人様。ソフトバンクグループ創始者の孫氏にも、2枚の提案書で新規事業のプレゼンをしてきたというだけあって、端的に、且つ自分の口で相手に伝える大切をアドバイス頂きました。そして、IPO支援をしている弁護士の五島洋様、審査委員長の橋本豊嗣様の計5名の審査員にて評価を頂きました。
9者全てのプレゼン審査が終了すると、審査員は別室で書類審査結果とプレゼン審査の結果を合わせて審議を行います。その間、来場者は、出場者による展示コーナーにて直接商品やサービスの説明を聞いたり、交流を行い、それらの結果を踏まえて応援したい出場者2名に投票していただきました。投票タイム後の結果がでるまでの間、第4回受賞者のあっと株式会社 武野團様にご登壇頂き、メディアに取り上げられたきっかけや行政の支援プログラムの効果的な活用事例などお話し頂きました。
いよいよ結果発表。今回は地域需要創出型部門から1名、グローバル成長部門から2名の合計3名が受賞となりました。さらに、特別協賛として、近畿大阪銀行から、代表取締役社長の中前様にご登壇頂き、特別大賞100万円を1名に、特別賞30万円を3名に提供頂きました。さらに7社からご提供頂いたサポーター賞については、受賞者だけではなく、出場者の中からも提供されました。
終了後は、今回先輩起業家トークでもご登壇頂いた第4回受賞者のあっと株式会社より、交流会運営のスポンサー協力を頂き、参加無料にて開催させて頂く事ができました。出場者と審査員がじっくり話す機会となり、多くのアドバイスをいただく姿がありました。
出場者の益々のご活躍を期待しています。皆様の応援も宜しくお願いします。
第8回ビジネスプランコンテスト受賞者・出場者
SAKELOGY – 日本酒で世界をおもてなし
近畿大阪銀行 特別賞
サポーター賞:梅ヶ枝中央会計賞、SKC船場経済倶楽部賞、サンブリッジ グローバルベンチャーズ / 都市活力研究所賞、トーマツベンチャーサポート Innovation By Woman賞、フューチャーベンチャーキャピタル賞
星野 翠(ホシノ ミドリ)さん 株式会社ななつぼし 代表取締役
推薦機関:一般社団法人にしなかバレー
年間千人以上の外国人観光客のおもてなしに携わった中において、「日本酒」は非常に注目されています。一方で、多くの居酒屋では、日本酒にまつわるストーリーを説明しながら異文化体験を提供することができていません。そこで、私たちは外国語の日本酒メニューをクラウド上で簡単に作成できる飲食店向けサービス「SAKELOGY」を開発しました。「もっと気軽に日本酒で外国人観光客をおもてなししたい」そう願う飲食店の売上増と業務効率化に貢献します。同時に、日本人による日本酒離れが原因による酒蔵業界の衰退を、外国人需要を取り込むことで再び活性化させていきます。
敏感肌女性の救世主!肌に合わない化粧品がわかるアプリサービス『ポーテ』
近畿大阪銀行 特別賞
サポーター賞:梅ヶ枝中央会計賞、SKC船場経済倶楽部賞、サンブリッジ グローバルベンチャーズ / 都市活力研究所賞
米田 大介(コメダ ダイスケ)さん ペッシェ株式会社 代表取締役
推薦機関:大阪信用金庫
肌が弱く、ヒリヒリや腫れるなどの肌トラブルが起こることを心配し、化粧品選びに悩みを抱えている方は多い一方で、女性にとっては、日常のお化粧は欠かせません。そこで、肌に合わない化粧品が事前にわかるスマホアプリ「ポーテ」を産学連携で開発しました。接触性皮膚炎は、「原因となる物質を避ける」が重要なポイントとなるため、このアプリでは、原因物質の解析とその物質が含まれている商品がわかります。今までは、肌トラブルが心配でなかなか化粧品を楽しく選ぶことが出来なかった方々が、ストレスなく化粧品選びができる世界をめざします!
シェフの出張サービス『お届けリストランテ』
サポーター賞:SKC船場経済倶楽部賞
東條 恭考(トウジョウ ヤスタカ)さん 株式会社2JOY 代表取締役
推薦機関:大阪信用金庫
自宅に「シェフ」と「感動」を届けます!!関西初のシェフの出張サービス「お届けリストランテ」を運営しています。ホームページ上でシェフを検索し注文すると、ホームパーティをする際にシェフが出張し、食材の準備から後片付けまで行ってくれるサービスです。料金はお一人様¥4,000からと外食並み。子育て中のママやシニア層など外食しづらい方を中心にご利用いただいております。またシェフにとっても空き時間を有効活用し、収入を得たり、無料で広告宣伝ができるビジネスモデルとなっています。
愛犬とのペア服をオーダーメイド販売する犬服ネットショップ『inun(アイヌーン)』
サポーター賞:フューチャーベンチャーキャピタル賞
奥野 美鈴(オクノ ミスズ)さん Room#35 代表
推薦機関:茨木商工会議所
皆さんは犬の笑顔を見たことがありますか?犬と飼い主の「ペア服」をつくっています。今では、犬が服を着る事が珍しくなくなっている中、我が子(犬)のための服を求める方が増えています。そこで、市場には出回っていない、犬とのペア服をオーダーメイドでお作りするサービスを提供しています。縫製においては、別途運営している洋裁教室の卒業生を縫製スタッフとして雇用し、趣味で終わらない自立機会を提供。また、手づくりを楽しみたい方には、キットの販売もしています。犬との生活の中に笑顔を増やし、笑顔の飼い主を見て犬にも幸せを与えられるよう、事業を通じて生活のハッピーを提供していきたいと思います。
働く人・働きたい人が匿名で気軽に悩みを相談できる窓口普及事業『ラクカウ』
近畿大阪銀行 特別賞
サポーター賞:ヒューマンファースト賞
濁川 淑実(ニゴリカワ ヨシミ)さん ラクカウ 代表
推薦機関:梅ヶ枝中央会計株式会社
働く人と働きたい人を対象に悩みを匿名で相談できる、Skypeとメールによるオンライン相談窓口を運営する事業です。「働く」をキーワードとする悩みは、仕事の対人関係だけでなく、自身のキャリアアップ・キャリアチェンジ、病気や障がいを持ちながら働く不安、復職への不安等、幅広い悩みがあります。その悩みに対して、産業カウンセラーやキャリアコンサルタント等専門家を中心に、相談者の悩みを聴くだけでなく、解決する糸口を相談者と一緒に見つけていく取り組みです。
空室と勉強する場所を求める大人をつなぐ『シェアリングエコノミー』
サポーター賞:梅ヶ枝中央会計賞、フューチャーベンチャーキャピタル賞
柳原 忍(ヤナギハラ シノブ)さん 株式会社アイルビー 代表取締役社長
推薦機関:グロービス経営大学院
この歳になるまで気付かなかったが、実は勉強って面白い。でも勉強は非日常な行為なので、自宅ではなかなか集中できない…。だからといって会社では出来ないし、喫茶店はうるさいし図書館は閉まるのが早い。そんな人の為に第4の空間を提供することを考えました。一方で「長らく空室のままになっているオフィスビルが多い」という事実。空室でも税金や維持費が必要になる為、空室のまま置いておくことは赤字を生んでいる。その空室で自習室を運営してもらい、その業務の全てをこちらで受託することで、実質ビルオーナーはノウハウも手間もなく収益を生み出す事業です。
リハビリ業界初 自由な未来を約束する個別プログラム『リトレーニング』
サポーター賞:梅ヶ枝中央会計賞、トライン賞、ヒューマンファースト賞
尾下 功(オシタ ツトム)さん アストロリハビリテーション 代表
推薦機関:公益財団法人大阪市都市型産業振興センター
もし脳卒中で後遺症の残る体になってしまったら、好きだったゴルフや釣り、旅行を諦めなくてはならないのでしょうか?「普通に歩ける体に戻ればそれでいい」と自分に言い聞かせ、折り合いをつけて過ごすしかないのでしょうか?余暇や趣味は、いきいきとした人生を送るために欠かせないものです。私たちは、脳卒中を患った方が、後遺症の制限を受けることなく、自己実現できる体に戻すための個別リハビリを提案しています。トレーニング内容を一人ひとりの症状や目標に合わせてカスタマイズし、6カ月~1年間集中的に取り組むことで、必ず目標が達成できることを約束します。
紙帳票をFAXして1週間でオリジナルシステムが手に入る月額サービス『Pro-Manager』
近畿大阪銀行 特別大賞
サポーター賞:梅ヶ枝中央会計賞、フューチャーベンチャーキャピタル賞
井口 一輝(イグチ カズキ)さん 株式会社Mountain Gorilla 代表取締役
推薦機関:公益財団法人大阪市都市型産業振興センター
IT導入に抵抗を感じている中小企業や製造業の現場向けに「もっと気軽にITを使って頂きたい」、「いいものだから永く使って頂けるシステムをつくりたい」という想いから、月額5,000円から使える業務カイゼンのシステム『Pro-Manager』を開発しました。紙帳票をFAXして1週間でその会社オリジナルな業務カイゼンシステムが手に入ります。帳票ベースのシステムをスモールスタートで始めて、使い手と作り手が長く関わりながら大きなシステムに育てる従来にないコンセプトの商品です。
家系図描画ツールと電子遺伝情報カルテシステムの構築
サポーター賞:梅ヶ枝中央会計賞、トーマツベンチャーサポート賞、トライン賞
坂上 博俊(サカウエ ヒロトシ)さん プラクス株式会社 代表取締役社長
推薦機関:日刊工業新聞社大阪支社 キャンパスベンチャーグランプリ大阪
自分ががんの家系だと心配になったことはありませんか。そこで、そうした悩みを持つ人や患者、その家族に医学的知見を提供し、心理的、社会的サポートを行う遺伝カウンセラーという職業があります。遺伝カウンセラーは、情報の整理に家系図を描画するのですが、手書きで作成するため手間がかかり、再利用性が低いという問題点があります。近畿大学・兵庫医科大学は、共同でその作成を補助するツールを開発し、特許を出願。またそのツールは国立がん研究センター他38の医療機関に使用され、現在も開発を継続中。この製品化を行い、作成した家系図から遺伝情報を取り出し電子遺伝情報カルテとして保存します。それによって将来的には既存の電子カルテと連携による医師の診断材料としての活用や、ビッグデータとして解析した遺伝情報を家系図描画ツールと連携させたアプリケーションを一般に公開することで診察を促し、早期治療に活かします。
起業家審査員
前田 健司(まえだ けんじ)氏
燦キャピタルマネージメント株式会社 代表取締役社長
http://sun-capitalmanagement.co.jp/
1964年6月 福岡県北九州市生まれ。
1989年4月 オリックス株式会社入社。大阪審査部法務担当を経た後、1997年4月に同社を退社。
同年5月に燦キャピタルマネージメント株式会社設立し、代表取締役社長に就任。
2006年12月 ヘラクレス(現:ジャスダック)に株式を上場。
投資事業およびファイナンシャルアドバイザリー等のソリューション事業を展開。
その他主な役職
- 鳥取カントリー倶楽部株式会社 代表取締役社長
- 大阪大学大学院経済学研究科 非常勤講師
審査員
※五十音順
合田 ジョージ(ごうだ ジョージ) 氏
株式会社ゼロワンブースター 共同代表
MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計、国際アライアンスや海外製造によるデザイン家電の商品企画。村田製作所にて、北米およびMotorolaの通信デバイス技術営業後、通信分野の全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社のマーケティングや海外展開を指揮、KDDIグループによる買収後には、M&Aの調整、グループ子会社の海外戦略部部長。現在は01Boosterにて大企業とベンチャー企業の事業共創を行う、コーポレートアクセラレーター国内最大手であると共に国際的なインキュベーションプラットフォーム構築を進めている。
五島 洋(ごしま ひろし) 氏
飛翔法律事務所 弁護士/一般社団法人関西IPOチャンスセンター 代表
http://www.hisho-law.jp/index.html
1995年、同志社大学大学院在学中に司法試験に合格。2年間の司法修習を経て1998年に弁護士登録し、勤務弁護士を経由せず当初から共同代表者として飛翔法律事務所(現在の弁護士法人飛翔法律事務所)を経営、現在に至る。現在は、弁護士8名・事務職員6名の事務所。
専門分野は、企業法務が中心であり、特に多く取り扱っているのは、M&A・ベンチャー支援・人事労務・企業再生・債権管理及び債権回収・契約書のブラッシュアップ・IT法務・コンプライアンス・事業承継である。その他、相続・不動産法務・産官学連携等の分野も取り扱っている。
主な事務所内共著に「実践契約書チェックマニュアル」「ビジネス契約書式100例」「人事労務管理の108ポイント」「キャンパスハラスメント対策ハンドブック」「M&Aコンパクトバイブル」(財団法人経済産業調査会)、「企業力UP優れたCSRの作り方」(日刊工業新聞社)がある。
橋本 豊嗣(はしもと とよじ)氏
中小企業診断士 MBA
大阪府立大学大学院 経済学研究科経営学専攻 博士前期課程修了。
中小機構の統括PM、大阪府中小企業支援センターPMに就任するなど、大手・中堅・中小企業の多数のコンサルティング実績があり、経営戦略、マーケティング、経営革新、創業・ベンチャー支援を専門とする。
- 兵庫県立大学大学院 客員教授
- (独) 中小機構 近畿本部 チーフアドバイザー
- (一社) 大阪府中小企業診断協会 監事
- (一社) 大阪中小企業診断士会 監事
- 大阪府立大学 非常勤講師
皆川 真人(みながわ まさと)氏
ソフトバンク株式会社 テクノロジーユニット 担当部長
2003年に日本テレコム株式会社(現:ソフトバンク株式会社)に入社。
システムエンジニアとして大手法人顧客向けシステム構築・ネットワーク構築を担当後、ソフトバンクのデータセンター・ホスティングサービスのオペレーション部長を経験。
2010年からはソフトバンクの法人向けクラウドサービス「ホワイトクラウド」のプロダクト企画・開発部長および統括部長を歴任し、様々なクラウドサービスの企画・開発をリード。中国・韓国におけるクラウドサービスの立ち上げも経験。
現在はソフトバンク子会社の新規事業企画に従事。
- PMP、MCSE、CCIE、テクニカルエンジニア(ネットワーク)資格保有。
- 一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA)総合アドバイザー。