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大阪の起業家

海外市場と繋がる!声優、ナレーターの「宅録」による日本語吹き替え事業

2025/11/17

スキヤキレコーディング株式会社 代表取締役

逢沢 舞 氏

私は、宅録ナレーターとして活動を開始し、世界最大級の声のアワードにて、日本語ナレーションでノミネートも果たしました。ナレーションには、スタジオで収録するものと、ナレーター自身が自宅などで収録する宅録があります。宅録は、日本では馴染みがないものの、海外では宅録の採用率が70%以上あり、ギャラも日本の5倍という職業となっていますが、日本ではまだ普及が進んでいません。そこで、自身が宅録で未経験から活動を始め、SNSを通して国内外から依頼を受けてきた経験を活かし、宅録による海外の映像制作会社向け日本語翻訳、字幕作成、音声収録をパッケージ化した音声制作サービスを提供するビジネスを展開します。あわせて、宅録で商業用の音声制作を学び、より自立した声のプロを育成するスクール開講も進めています。宅録により、声の業界に新たな活躍の場を作ることに加え、在宅でできるメリットを活かし、子育てや介護中でも活動を続けることができ、特に女性が多い声の業界において諦めない働き方を構築していきます!
HP:https://sukiyaki-recording.com

起業家紹介

逢沢 舞(あいざわ まい) スキヤキレコーディング株式会社 代表取締役

20代を一般会社員として過ごし、病気をきっかけに29歳から芸能活動をスタート。
テレビを中心にドラマ、CM、映画、VPなど様々な映像作品に出演。
2020年より宅録ナレーター(※自宅で収録を行うナレーター)として国内そして海外で日本語ナレーターとして活動。
2023年には世界最大級の声のアワードである、One Voice Awards、Voice Arts Awards にて
日本語のナレーションでWノミネートを果たす。
2025年LAで開催の世界最大のアニメイベント「Anime Expo」にて声優体験イベントの企画運営、同年10月にスキヤキレコーディング株式会社を創業。
国内はもちろん、アメリカやヨーロッパ圏を中心にアニメ、CM、ゲームなど映像作品の日本語版音声制作において携わっている。

起業のきっかけ

私はナレーションのご依頼はほぼ全て国内海外ともにSNSを通じていただいています。特に海外の方とつながることで、私たち日本人が英語がわからなくても洋楽を楽しむように日本語でアニメを楽しむ外国人がたくさんいることを知りました。
そして、ロサンゼルスで開催されるAnime Expoにて声優体験イベントの企画運営をした際に、日本語で話しかけると喜ぶ外国人アニメファンの姿を見て”日本語には価値がある”と気づくきっかけとなりました。
正しい日本語の話し方を学んだ一人のナレーターとして、気軽に海外ともやり取りができる宅録を使って国内にたくさんいるナレーターや声優など素晴らしい技術を持つ声のプロたちの日本語とより多くの海外の映像作品とを繋いでいきたいと思ったことがきっかけでした。

起業までの道のり

2020年に宅録ナレーターとして活動を始めた直後、世界はコロナ禍となり、同時に私は両親のW介護とそれによる自身の重度のうつ病という困難に直面しました。
それでも、自宅で業務をすべて完結できる“宅録”という働き方のおかげで、厳しい社会状況や体調面の問題がある中でも仕事を続けることができました。
また、自分の経験と、SNSだけで仕事を獲得してきた実績をもとに、これまで100名以上の声優・ナレーターなど声のプロに向けてセミナーや個別面談を行い、宅録による働き方やキャリア形成を支援してきました。

今後の思い

国内はもちろん海外でもアニメをはじめ日本の声優は人気のコンテンツであり、最近はAI音声の発展など注目されることも多くなっています。
しかし、日本国内では法律で声が守られておらず、声の無断使用の横行や声のプロたちの低賃金など様々な問題が実は起こっています。
今後、AI音声の発展によりこの人間の音声事業がどのぐらい持続的な可能性があるのか不確実な部分もありますが、私は人の感情に働きかけられるのは、AIではなく感情や想いを乗せた声の持つ力が必要だと信じています。この事業を進める中で日本語や日本の声のプロたちのファンを海外により多くつくり、日本語を文化として海外に届けていきたいと考えています。

支援機関名