大阪の起業家
飲食店に魚を卸すだけじゃない!余剰分は回収し加工・製造品化まで担う循環型卸販売
株式会社四四四 代表取締役
井内 正幸 氏
先代が大阪市中央卸売市場内で鮮魚の卸売業を経営していたことから、事業を受け継いできました。取引先である飲食店やホテルは、新鮮な鮮魚の提供を望む一方で、予約以外の来店客の不確定要素による廃棄リスクが発生します。この食材ロスの悩みを解決したい!と思い、循環型卸販売を思いつきました。卸販売した店舗で余剰となった鮮魚を独自の品質基準で回収し、干物熟成加工をし、オイル漬にしたところ、これまでのオイル漬とは格段に違う美味しい商品ができました。これを事業として本格化するため、商品化加工会社として大阪市中央卸売市場内に株式会社四四四を立ち上げました。現在、このオイル漬は、飲食店へ再提供するだけでなく、パスタ専門店の具材として販売している他、一般向け販売も展開しております。
市場発、鮮魚の卸販売から、余剰分の回収、加工販売まで一気通貫で手掛けられる強みを活かして、食品ロス削減に貢献し、クライアントに新たな付加価値を提供していきます。
- 起業家紹介
井内 正幸(いうち まさゆき) 株式会社四四四 代表取締役
寿司屋やスーパーの鮮魚売り場を経て、家業である仲卸業を継いだ25年目の「魚の目利きとさばきの職人」です。
魚の流通プロセスとは逆プロセスで自らが市場の世界に入ったことから、調理する魚のおいしさを誰よりも知っています。
「おいしい」がお客さまに届くまでの魚の鮮度管理を徹底しており、顧客目線で大量に安く購入し、ロスが出ないように小ロットの販売に力を入れています。
また、鮮魚販売のみならず、小ロットでの加工食品製造販売にも対応することで、数多くの飲食店に卸すことが可能になりました。これにより、ロスカットの考えや鮮度をトータルに維持する取り組みが評価され、仲卸に新しいしくみを構築できたと自負しています。
- 起業のきっかけ
未曾有のコロナウィルス感染症により、本業の仲卸業の売上が壊滅的な状況に陥り、一時は倒産なりそうまで追い込まれました。
この危機を乗り越えるために、鮮魚の流通コストカットと品質を保ちながら流通させるしくみを強みとした、食品加工業を事業の柱とする株式会社四四四を起業しました。
しかし、食品加工は全くの素人だったため、加工技術や食品衛生法など知らないことばかりで、毎回製品作りも失敗続きでした。
諦めかけていた時、大阪産業局の紹介で小ロット食品製造とプロモーションのスペシャリストと奇跡的にご縁がつながり、事業化が実現しました。
- 今後の思い
廃棄されるはずだった鮮魚が再利用されることで資源の無駄遣いを防ぎ地域の公設市場の活性化にも寄与します。
我々の取り組みでフードロス削減やサステナブルな鮮度・品質・安全な食品流通革命を起こしていきたいと思います。
ぜひ、お力添えよろしくお願いいたします!
- 支援機関名